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【時事メディカル】9/3配信
3回目ワクチンは国産の可能性
       ~抗体価減少への対応で出番~(その4)

さて、先ほど書いたようにRNAワクチンによる中和抗体が減ってきますので、では、どうすればよいのかという質問になります。この答えが、3回目のワクチン接種、ブースターワクチンです。これは、既に抗体をつくれるような免疫システムの準備ができていれば、3回目を打てば、2回目以上に抗体ができるという考え方で、既に正しいことが知られています。

実際、ファイザー社、モデルナ社、それぞれブースターワクチンの必要性を認めており、既にイスラエルでは、3回目の接種も進んでおり、改めて新型コロナウイルスの発症予防に効果があることが示されています。この場合も3回目のワクチンの種類は同じがよいのか、別のタイプがよいのかという疑問があります。

この疑問に対する回答は、別のタイプがよいと考えられています(交差免疫といいます)。違ったメカニズムで免疫を刺激したほうが、中和抗体の量も増えて、抗体の産生期間も長いと考えられています。

その意味で、国産ワクチンは、ブースターワクチンとして意味があると思います。それぞれ、ファイザー社やモデルナ社のRNAワクチンとは違うモダリティ(技術)で開発されているからです。

私どもも、DNAワクチンをブースターワクチンに使えないかと考えています。例えば、ファイザー社のRNAワクチンを2回接種した人で中和抗体が減少した人に3回目、4回目をDNAワクチンで接種をする。メリットは安全性で、DNAワクチンではRNAワクチンのような発熱や倦怠感、疲労感などがほとんどありませんので、安心して接種してもらうことが可能です。その場合、2回目接種した後の抗体価以上に、3回目のDNAワクチンで元のレベルに戻れば、十分発症、感染、重症化予防効果が期待できるわけです。このような考えで、ブースターワクチンとしてDNAワクチンをはじめとする国産ワクチンを開発していくのは、どうでしょうか。

●【森下竜一 教授のプロフィール】
1987年大阪大学医学部卒業。米国スタンフォード大学循環器科研究員・客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年から大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄付講座教授(現職)。内閣官房 健康・医療戦略室戦略参与。