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栄研化学(株)【4549】の掲示板 2021/01/28〜2021/04/28

>>779

畜産や農業の分野にLAMP法を応用する研究は、今後ますます増えそうな勢いがありますね。特に海外で活発になっている印象ですが、背景には素早く簡便に遺伝子検査を行いたい需要がいろいろあるようです。たとえば害虫の「ツマジロクサヨトウ」の識別はかなり切迫した話のよう。英語ではFall armyworm、中国では秋行軍蟲と呼ばれるこの蛾はここ数年で急速に台頭しアフリカやアジアに広まってきた害虫で、その幼虫は種類選ばず農作物を食べ尽くし、成虫は強力な繁殖力と移動速度を持ち一部の個体は殺虫剤の耐性さえ具えているという手の付けられない恐ろしさです。

この虫の被害を防ぐには幼生の段階で早期に識別する必要があるけれど、見た目はただの毛虫なので見分けがつきにくい。かと言って卵や毛虫を見るたびに見境なく農薬を大量散布したのではますます殺虫剤の耐性をもつ害虫が増えて自分の首を絞めてしまう。見つけたその場で素早く問題の害虫か判別したいという強いニーズがあるわけです。

西オーストラリアのメディアによると、昨年この地域に現われたばかりのツマジロクサヨトウによってトウモロコシ、ソルガム、綿花を含む多くの作物が食害され、いくつかの地域では10~40パーセントが一掃される大被害を受けたが、西オーストラリア州政府の第一次産業および地域開発局(DPIRD)の科学者がLAMP法を用いたツマジロクサヨトウの同定方法を開発。その効果を次のように述べています。
「潜在的に損害を与える個体群の確認は、情報に基づいた管理上の決定を行うために重要で、それは初期齢幼虫の検出に依存しています。LAMP技術は視覚的に識別するのが特に難しい非常に若い毛虫にも使用できるため、意思決定を迅速に行うことができます」
https://thewest.com.au/news/the-kimberley-echo/wa-agricultural-scientist-develop-new-test-to-combat-ord-valley-pest-ng-b881831602z

なおこのツマジロクサヨトウ、一昨年あたりから日本にも上陸を始めた危険生物なので、国内でもLAMP法を使った有効な水際対策が非常に望まれます。