ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

三菱ケミカルグループ(株)【4188】の掲示板 2020/09/18〜2020/11/04

(以下は日刊薬業より)

 三菱ケミカルホールディングスが4日に公表した田辺三菱製薬の2020年4~9月期決算(国際会計基準〔IFRS〕)は、619億円の営業損失(前年同期は126億円の営業利益)となった。連結子会社のイスラエル・ニューロダーム社がパーキンソン病を対象に欧米で開発しているレボドパ/カルビドパ持続皮下注製剤ND0612(開発コード)の開発計画を変更したことで、これにかかる無形資産(仕掛研究開発費)の一部を減損処理したことが大きく影響した。

 ND0612は、欧米で臨床第3相試験の段階にあったが、新型コロナウイルス感染症の流行で、治験施設の開設や患者の組み入れが遅れたため、開発計画を1年半後ろにずらした。このため欧米での承認申請目標時期は23年度に変更する。

 ND0612の開発計画の変更や競合品の開発状況などから収益性は低下する見込みで、最新の市場調査結果も踏まえて事業計画を見直した。計上した減損損失額は845億円。

 一方、埼玉県の戸田事業所の譲渡にかかる固定資産売却益75億円を計上したことは、利益を押し上げる要因となった。税引前四半期損失は616億円(121億円の税引前四半期利益)、純損失は510億円(83億円の純利益)だった。

●新薬が成長、国内医療用は0.8%増収

 売上高は1873億円(前年同期比0.4%減)で、このうち国内医療用医薬品の売上高は1503億円(0.8%増)。薬価改定の影響を受け、関節リウマチなどの治療剤「レミケード」が234億円(15.2%減)、長期収載品等が393億円(12.0%減)に減少したが、新薬は堅調に成長し、関節リウマチなどの治療剤「シンポニー」が212億円(3.6%増)、2型糖尿病治療剤「カナグル」が50億円(22.8%増)、同「カナリア」が50億円(33.6%増)、アレルギー性疾患治療剤「ルパフィン」が32億円(29.0%増)となった。クローン病などの治療剤「ステラーラ」も3月に潰瘍性大腸炎の適応を追加し、140億円(10.9%増)に成長した。

 8月に発売したHIF-PH阻害薬「バフセオ」は3億円。通期では5億円を見込む。想定を上回る需要に対応できず、2規格あるうち「300㎎錠」が発売直後に出荷調整となったため「本格的な浸透はこれから」(田辺三菱広報部)という。300㎎錠については、12月下旬に同社物流センターへの入荷を予定している。

 海外医療用医薬品の売上高は251億円(1.0%増)。このうち筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」は111億円(4.9%減)に減少した。

 多発性硬化症治療剤「ジレニア」に関するロイヤルティーについては、スイス・ノバルティスとの仲裁手続きに入っているため、引き続き国際会計基準に従い一部を売上高に計上していない。全体のロイヤリティ収入等は78億円(15.1%減)。

●通期予想を下方修正

 ND0612に関連した減損損失の計上などを受け、田辺三菱は通期の損益予想を下方修正した。修正後の予想値は売上高3730億円(前回予想から105億円減)、営業損失625億円(前回予想は170億円の営業利益)、税引前損失620億円(175億円の税引前利益)、純損失525億円(85億円の純利益)。