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四季報オンラインでトクヤマが特集されていますね。



半導体で存在感、太陽電池向けの大失敗から立ち直る
その名はトクヤマ(4043)である。社名からしても明らかにローカル色の強い存在だが、事業内容はもう少し見直されていいものがある。信越化学やSUMCOはシリコンウエハの世界的なメーカーだが、そのシリコンウエハの原料となる高純度ポリシリコン(多結晶シリコン)を供給するのがトクヤマである。

年産8500トンの生産能力を誇る高純度ポリシリコンは国内首位。世界でもシェア3割のメーカーだ。実は、半導体チップの放熱材料となる高純度窒化アルミニウムでも世界シェア7割、半導体用高純度洗浄液「IPA」でも最有力メーカーと、半導体関連材料では独自の存在感を持つメーカーだが、ここでは半導体用高純度ポリシリコンに注目すればいいだろう。

世界的な位置づけが見逃されているのは、同社にとって5年前の苦い経験があるからかもしれない。2014~2015年に2000億円規模の巨額投資を行って進出した太陽電池向けのポリシリコン事業に大失敗。その減損処理で2016年3月期に1000億円を超す大赤字を計上したことがあった。

市場には、この太陽電池向けシリコン事業撤退というマイナスイメージが残っているのではないだろうか。確かにこの失敗以降、財務改善を優先して設備投資も縮小し続けたことは間違いない。だが、放熱板用窒化アルミ設備の4割増強など、前向きな投資に乗り出していることを見逃すべきではない。

今2021年3月期の設備投資計画は307億円と、前期(237億円)比30%増。3年前の2018年3月期(159億円)に比べると、ほぼ倍増となる見通しだ。

顧客に値上げ要請、「一足早い春」が来る可能性は十分
ここで注目すべきは「緊縮」から「拡大」へ、「負債処理」から「成長指向」へと経営の軸足が変わってきていることだ。状況次第では、来期である2022年3月期にはポリシリコンの増産投資も課題となってくる可能性がある。

業界団体の予測では、5Gスマートフォンの普及やデータセンター向け需要の拡大が後押しする2021年、シリコンウエハの出荷額は3年ぶりに過去最高となる見通し。ウエハの急拡大は同社の状況も一変させるはずだ。

すでにその兆候は見えている。2020年9月中間期の段階で「ポリシリコンの上半期出荷は数量で25%増。好調だった2019年3月期に迫る勢いだ。顧客には値上げをお願いしている」(決算電話カンファレンス 質疑応答より)と会社側ではコメントしていた。この先、もっと急激な変化が起こる可能性もあるだろう。この1月29日に行われる2020年4~12月期決算発表に先回りしておきたいところだ。

株価は2018年5月高値4165円からの下降トレンドライン突破を試そうか、という段階。ようやく出遅れ訂正に動き出したばかりである。

上場市場:東証1部
時価(13日終値):2612円
必要資金:26万1200円

予想PER:8.55倍
PBR:1.07倍
今期営業増益率:-18.33%



https://shikiho.jp/news/0/404002