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>>286

あれはあたしの言葉ではなく
森下の言葉だね

森下:僕はゲームを作りたいから会社を作っただけで、別に社長がやりたかったわけではないんですよ。

なのに、“経営者の役”をしないといけない。
だから一時はゲーム作りから離れて経営に専念して、開発はほとんど現場に任せていたんですけど、タイトルが鳴かず飛ばずになりました。
でも、現場に任せている以上、口は出せないと半ば諦めていました。

 その頃は、本当に辞めようかな、と思ったんですよね。
つまんなくなってきて。俺、なんのために会社作ったんだっけな、って。

そんなとき、自宅のトイレで、子どもが読んでいた本田宗一郎のマンガを拾ったんです。
実は僕、ほとんど本って読まないんですけど、たまたまマンガだったんで、読んでみたんです。 

 読み進めていくと、本田宗一郎は決して経営者として優秀ではなかったけれど、最後の最後まで製品に情熱を注いだ人でした。

ああ、経営者にそういう人がいてもいいじゃん。

だから俺がゲーム作りに専念して、面白さを徹底的に追求するのもアリなんじゃないか。

それがガンホーの精神で、文化であり、DNAになっていけばいいんじゃないか。
そう思って、開発を社長直轄にして、ゲームづくりに専念することにしました。

 そう決めてまず最初に、「3年間赤字出すから」と宣言しました。
役員は反対しましたね。

でも、山本五十六の言葉「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」ではないですけど、言葉だけではダメで、一緒にやりながら開発を育てることが大事。
そうすることで、みんなの理解が深まって、うまくいったときは一緒に喜ぶし、失敗したときはなぜ失敗したか反省できるようになりました。

こうやって開発を一から叩き直して、赤字も出しましたけど、ちょうど2年くらいで結果は出ましたね。



このあと間もなく
森下はパズドラの開発に成功した。