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(株)セック【3741】の掲示板 2016/07/02〜2017/05/29

医療・介護ロボット開発、愛知で産学官連携相次ぐ

2016/10/21 7:01

 高齢化の進展と介護施設の人手不足をにらみ、愛知県で医療機関と製造業が医療・介護ロボットの開発などで相次いで連携している。藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)は介護ロボットの開発拠点を新設。名古屋市立大学病院(名古屋市)は医療のニーズを地元メーカーに提供、医療機器の開発を後押ししている。医療とものづくりが融合する「医工連携」の加速は産業の裾野拡大につながりそうだ。

 藤田保健衛生大や豊明市などは20日、豊明団地(豊明市)に「豊明東郷地域医療連携センター(仮称)」を来年7月に開設すると発表した。社会福祉士や看護師、訪問介護士ら約10人が常駐し、大学病院と連携し自宅や介護施設などでの高齢者ケアを支援する役割を担う。

 センターの隣には介護ロボットの開発拠点を来春開設する予定だ。高齢者の移動を助ける開発中のロボットなどを置き、センターと協力しながら高齢者に利用してもらい使い勝手などを確かめるという。藤田保健衛生大はトヨタ自動車などと移動支援ロボットを開発中。今後も拠点を活用して、住宅設備などを扱う企業などと順次連携を進めていく考え。

 名古屋市立大学病院は院内の研究センターを通じ、手術や治療、看護などの現場が求めている製品ニーズを公開。地元の製造業に提供している。例えば寝たきり患者の介助を支援するロボットや装置などが実現すれば看護の現場の負担軽減にもつながる。今月開いたニーズの発表会には地元企業など87社が集まったという。すでに岐阜の航空機部品メーカーと医療機器を開発した実績もある。

 名古屋市や名古屋産業振興公社は医療機器や介護ロボット開発を後押しする「医療介護ものづくり研究会」を発足した。病院や老人ホームなど医療・介護現場のニーズを聞き取り、製造業に提供する。開発した試作品は病院や介護現場で実際に使ってもらい、改良も目指すという。

 愛知県の2014年のロボットの製造品出荷額は1076億円と全国トップの規模を誇る。産業ロボットが中心だが、富士機械製造が介護施設での高齢者の移動をサポートするロボットを販売するなど医療進出の流れも目立つ。愛知県もロボット開発を後押しする組織を立ち上げており、こうした流れが広がればロボットが自動車などに続く産業の柱になる可能性は高まりそうだ。