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サンコーテクノ(株)【3435】の掲示板 2015/04/29〜2023/08/05

三大都市圏に多く 資金・時間足りず

2018/3/30付
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 1981年5月以前の旧耐震基準に基づき建てられた大規模建築物は、都市化が早い時期に進んだ主要自治体に多く集まる。三大都市圏の政令指定都市のうち、大阪市は震度6強から7程度の大地震で倒壊する危険性が「高い」もしくは「ある」物件の比率が21%だった。名古屋市は15%、横浜市が7%となった。
 大阪市は2017年3月、44棟が倒壊の恐れがあると発表した。これを受け、結婚式場「グラン・アーモTAMAHIME」は今春にも、立体駐車場と本館の一部の耐震改修に着手する。
 ただ、こうした耐震補強工事にすぐに動き出せる施設は限定的だ。耐震改修などには費用や時間がかかることもあり、簡単に進まない。
 例えば、17年3月に公表した横浜市の場合、危険性が「高い」「ある」とされたのは34棟。うち民間施設が9割を占めたが、今年3月時点で対応を終えたのは公共施設の1施設のみ。民間施設で耐震補強工事を終えたり、移転したりした施設はゼロだ。対策をしても賃料や販売価格に上乗せするのは容易ではなく、費用負担が所有者に重くのしかかる。
 17年3月に公表した名古屋市では、30棟が危険性が「高い」「ある」とされた。その中には名古屋城の大天守も含まれていた。市によると、18年2月時点では27棟に減った。市は「対応を全く考えていない施設はない」と説明するが、公表から1年を経ても対応を終えた施設は限られている。
 このため、横浜市は従来一括工事のみを対象としてきた補助制度を、4月から段階的な改修工事でも使えるよう適用要件を広げる方針だ。市は「新制度も活用してもらい、耐震化を進めたい」(建築防災課)と、支援策を拡充して対応を促す。
 再開発などで建物の価値を高め、費用を吸収しようという動きもある。名古屋市中心部の老舗百貨店「丸栄」新館は危険性が「高い」と診断された後の17年12月、今年6月に閉店すると発表。跡地は複合施設として再開発する計画だ。