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非効率にこそ利益の源泉がある。非効率なことにチャンスがある。


輸入も素人でしたが、全部自分たちでやるんだと、取り組んできました。手間だからって何か他の会社にやってもらうとか、どこかに委託することは一切やりません。全部自分たちでやる。非効率なことにチャンスありだと心から思っています。


靴は1つ並べてあると、後ろには10サイズあります。洋服ならS、M、Lを並べておけばいいので、本当に非効率ですよね。それでも商売は非効率なことを極めると利益が出る。だから我々はあえてそれを徹底してやります。非効率にこそ利益の源泉がある。


立地のいい場所に高い家賃で店を出す以上、粗利益の限界が決まっていますから、ズックからスリッパまで置いたら絶対に成り立ちません。要は回転率を高めることです。つまり、売れ筋と死筋に対して早く対応することが大事です。単品ごとの在庫や回転率のデータは全部POSに入っていて、誰でも見られるようになっています。大切なのは、データを見きれる量の商品しか扱わないことです。人間の目が見られる限界を超えないということではないでしょうか。


社員の年齢構成が変わっても、社風は変えずに行きたいなと思うんです。うちは組織が異様にシンプルなので、役職インフレにはなっていません。各取締役が部長を兼任して、それぞれの部署を持っているだけで、あとは課長も置いていません。情報の流れも意思決定も速くなります。


販売や接客のマニュアルはどうなっているんですかとよく聞かれるんですが、本当にないんです。マニュアルにのっとってできる人よりも、ちゃんと人と対話して口コミで仕事を覚えていく人の方が、やっぱり強いと思います。僕もそうだったんです。教科書を開く勉強は苦手だったんですけど、学生時代のアルバイトでの実践は得意でした。とくに活字離れの時代でもありますし。

うちのような職種でいきますと、一発屋みたいに大きいことをドーンとやろうと考えるよりも、コツコツと小さな改善をたくさんやっている人の方が伸びます。いまのような景気の悪いときは、大きな策を打ってもそれが響きません。近道を探していると時間ばかりがたってしまうので、目の前の小さな改善をコツコツとやる。その改善ができた数が問われてくると思います。

by 野口実 シューズ販売のABCマート社長