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2019年3月期の「短信補足資料」の「◆6. 連結 指標」にある「有利子負債」の「19年度予想」は1,535億円で、「18年度実績」1,606億円から71億円減少することになる。
従って、劣後債発行⇒借り替えを年計作成時に織り込んでいたと推測する方が妥当だろう。
ただ、株式投資は「美人投票」。誰もが情報を正確に理解するわけではない。人によりBBBの格付は理解が異なるだろう。

ただ、借替えそのものはBS内の動き(それも純資産には影響を及ぼさない)に過ぎず、金利でしか損益に影響を及ぼさず、即RO改善と見るべきではない。
むしろ、借替で得た資金の使途が今後の利益拡大に貢献するのかが問題だ。

資金使途は会社も決算資料で事ある毎に強調したように、Blommerの買収が大きい。

実際19年3月期「短信補足資料」の「4 連結 キャッシュ・フロ-」で「借入金等による調達・返済」は754億円の黒字(=調達)であり、「主な増減要因」は「Blommer買収のための借入金増加」だ。

また、前期投資キャッシュフローで大きいものは、「子会社株式の取得による支出△65,262」百万円であり、Bolmmer買収資金64,595百万円が大半だ。

また、「有形固定資産の取得による支出」と「無形固定資産の取得による支出」は△16,985百万円だが・・
一方、M&Aでは、更に財務キャッシュフローに「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出」と「連結の範囲の変更を伴わない子会社出資金の取得による支出」が合計△5,391百万円あり、70,653百万円がM&Aに向けられた。

斯様に、不二製油は内部での事業育成よりもM&Aに軸足を移し、また子会社への支配力も強化している。
また前期投資キャッシュフローには「連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の売却による支出」が△1,012百万円あり、子会社所有現金以上のカネを払ってまで不採算企業を整理する姿勢も窺える。

こうした財務・M&A戦略を経て「5. 2019年度通期業績予想」にあるように「業務用チョコレート」で11億円の営業利益増を見込んでる。
ただ、非常に単純な計算だが、Blommer買収に要した646億円に対し、営業利益増が11億円ではROA1.7%に過ぎず、M&Aだけでは出発点に過ぎない。
今後の決算発表毎に数値が向上する事を期待したい。