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新データセンターを埋めて、サーバーセキュリティ事業を始動する年=2019年の抱負

テーマ:コラム



藤原洋のコラム

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~5G情報通信インフラ拠点へ向けての取り組みとティエスエスリンク社子会社化の意義~

 

●全産業デジタル化時代の5Gとは何か?

 2019年は、日本において「5G情報通信インフラを整備する年」と位置付けられます。すなわち、あらゆる産業が、4Gから5Gへと情報通信インフラへの切替の準備を開始します。取り分け、情報発信業界は、4Gと比較して非連続的な変化をもたらす5Gへの対応を2019年中に行う見通しとなってきました。

 情報通信業界において特に関心の高い新技術に、放送分野の「4K・8K放送」、自動車分野の「自動運転」、そして通信分野の「5G」の3つがあります。これら3つの中で、テレビ画像の高精細化である「4K・8K放送」と自動車が自律走行する「自動運転」は、イメージできますが、5Gは、モバイル通信システムの世代交代を意味する言葉なので、一般の方には、イメージしにくいように思えます。そこで、今回は、5G元年とも言える2019年の初めに当たって、「どんな価値を産み出そうとしているのか」、「そのためにはどんなネットワーク技術が必要になるのか」、「そこでのデータセンターに求められる技術」は、どのようなものなのかについてご説明させて頂きます。

 

●5Gで生まれる新たな価値

 情報通信インフラの役割、特に近年では、固定通信よりもモバイル通信システムが主要な役割を担っています。スマートフォンを主要な端末とする4Gには、インフラ提供事業者で言うと、3社でした。しかし、このたび、総務省は、さらなる競争環境の整備として、4社目の免許を楽天に付与しました。これまでの3社は、事業母体となった前身企業も含めて通信事業者を出発点としています。しかし、楽天は、インターネット・カンパニーです。消費者の視点からは、情報通信インフラを提供する供給者としての情報通信事業者でした。一方、楽天は、供給者というよりは、需要者側の論理構造を持った企業である言えます。楽天の参入は、これまで供給者側の論理で構成されていた情報通信インフラを需要者側の論理に構造転換を図ることに大きな意義があると考えられます。その意味で、単なる高速化(100Mbps→20Gbps)、超低遅延(10~数10ミリ秒→1ミリ秒)、超多地点同時接続(1万点→100万点)だけではなく、通信キャリア3社による競争から通信キャリアも構造転換をしながらインターネットキャリア4社による競争へと変化することが想定されます。

 また、私は、総務省の情報通信行政の有識者会議にパソコン通信の時代から参画させて頂いている経験上、新たな動きが起こりそうだと感じています。総務省の方針として、これまで、モバイル通信事業者への免許は、全国一気通貫免許で豊富な資金力と通信技術者を大量に抱える必要がありました。しかし、5Gでは、5Gのメリットを活かす免許制度を検討中です。具体的には、多地点同時接続機能を活かす事業には、スタジアムや劇場などの時間的な人口密集地域や、地方創生に貢献する事業者などには、経済効果を発揮する地域限定免許などが付与される可能性が高まっています。

 では、当社にとって、5Gは、どういう意味があるのかと言うお話をさせて頂きますと、このように4Gと5Gとは、価値創造という意味で質的な変化が起こります。当社が、お役に立ちたいと思っているのは、データセンター事業者の草分けとして、昨年新大手町データセンターを開設させて頂きました。それは、5G時代に適合した5Gデータセンターを業界で初めて構築することを狙っています。さらに超高速のインターネット接続環境を完備することが要求されるために、三大キャリア系列の三大IX(インターネット・エクスチェンジ)に来て頂いたことがその最大の特徴です。アクセスラインが高速化、高度化する5Gユーザーに向けての5Gデータセンターだからこそ大手町というインターネットトラフィックの最大拠点に立地しているのです。なお、先週新たな設備投資に関する発表をさせて頂きましたが、2019年後半からは、正に5G時代にふさわしい情報発信拠点としての稼働が始まる予定です。

 

●サイバーセキュリティ事業を始動する年

 昨年末、当社の完全子会社であったIoTスクエア社を譲渡し、新たにティエスエスリンク社を完全子会社することと致しました。これは、黒字化に長期間を要する子会社を手放し、黒字化している企業を子会社化するといった表面的なことではありません。

 当社の基幹事業は、専業インターネット・データセンター事業者の草分けとして、来年20周年を迎える、あくまでデータセンタ