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アスカネット、今週某証券、貸株金利11%、来週、貸株金利12%、空売りもそう楽ではない。
2018/12/11 17:44日本経済新聞 電子版
例年なら年末高に沸く師走相場だが、今年はどんより曇っている。厚く垂れこめる冬雲のように相場の頭を押さえているのは、海外ヘッジファンドからの換金売りだ。年末特有の一過性の季節要因なのかと思いきや、そうとは言い切れない構造要因が横たわる。高齢化で年金マネーが縮小し、運用を委託している株式ヘッジファンドから資金を引き揚げている.
解約対応なのか閉鎖なのか事情はよく分かりませんが、売り方からすれば、どこかのファンドがポジション(持ち高)を整理しているのでしょう」。大手証券のトレーダー
対象は幅広い範囲の現物株にも及んでいるもよう。ヘッジファンドにポジション整理の噂が広がるのは成績がさえないからだ。中でも日本株運用は苦しい。調査会社ユーリカヘッジによると個別株の買い持ち(ロング)と売り持ち(ショート)を組み合わせる日本株のロング・ショート戦略の年初来の平均成績は、11月末時点でマイナス6.9%だった。同期間の北米株(プラス0.9%)、欧州(マイナス4.3%)に比べて日本株の成績の悪さは際立っている。
先進国の年金はこれから退職者の増加で給付金の支払いが膨らみ、キャッシュアウト(資金流出)の局面に入る。高齢化が進む日本ではすでに現実になっているが、米国でもベビーブーマー世代(1946~64年生まれ)が次々と退職年齢に達する。社歴が古い企業が多い米国の確定給付型年金は13年から資金流出に転じた。確定拠出型年金はなお資金が流入しているが、規模は年々細っている。
この結果、年金マネーはリスクが取れなくなり、株を売却して安定利回りの債券に資金をシフトする。
「年金が長期投資家として株式を買うという構図が変化してきている」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里氏は指摘する。年金マネーの高齢化によってじわじわと老化が進む株式市場――。売りが止まらない今年の師走相場は、そんな将来を先取りしているのかもしれない。(証券部次長 川崎健)