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・TPP合意による業種改革。
 
 日本では介護分野において特養老人ホーム、いわゆる「特養」という制度があります。特養は厚生労働省の庇護のもと、様々な規制や補助金などに守られ、特養老人ホームにはわずか月額3、4万円で入院を続けることができます(食事を除く)。
 一方、民間の老人ホームでは、一般に月15~30万程度かかるため、現在は特養ホームの空き待ちという状況が発生しています。特養は2兆円に及ぶ内部留保を抱えているといわれてますが、これでは民間の介護事業者が戦えるわけがありません。
 
 ところが、TPPが批准されることによって、この特養などはただちに米国の介護事業者から訴訟のターゲットにされるでしょう。米国の介護関連会社が進出してくれば、「特養に客を取られている」と捉えられるのは明白だからです。今後は、特養制度は重度の要介護者のみが入れる施設になり、その他の高齢者は民間の介護施設に入居することになるはずです。
 これは民間の介護事業者にとっては猛烈な追い風です。また、金融セクター、特にこれまで過払い金の返還に収益を圧迫されてきた消費者金融にも同様のことが起こると予想しています。

 このように、公営などの特殊法人と民間企業の競争条件が同一化されることを「イコールフッティング」といいますが、特養や消費者金融以外にも、これまで規制によって守られてきたあらゆる業種、セクターでイコールフッティングの嵐が巻き起こることになりそうです。