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図面を見ながら住宅設備の設計について意見を交わすエプコの社員(東京都墨田区)
 人口減少の逆風下でも新しい事業を生み成長軌道に乗せる――。給排水設備など住宅設備の設計を手がけるエプコは、業容拡大策が功を奏した中堅企業の好例といえる。国内の住宅着工戸数は増えないなか、注力するのが省エネ支援などエネルギー分野だ。
 エプコは岩崎辰之グループ最高経営責任者(CEO)が1990年に設立した。設計を手がけた件数は100万件にのぼる。「設備の部材共通化や中国でのCAD(コンピューターによる設計)開発を先駆けて進めてきた」(岩崎CEO)
 効率的な運営を徹底し、2004年に設計業務の一部を中国・深圳に移管。05年に沖縄県に拠点を設け、設備保守のコールセンター業務も自前で整備した。
 だが祖業の給排水設備だけの成長は難しい。既存事業を生かすべく10年代にエネルギー分野に進出した。


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 まず電力小売りの全面自由化を見据え、14~15年に福岡県の約2千世帯の電力消費を管理する実証事業に参画した。蓄電池の設置で初期費用がかさんだが、17年12月期のエネルギー事業の営業赤字は前の期から5億円縮小。実証で家庭の電気の使い方も把握できた。
 次の一手は電力大手との提携だ。今年4月、東京電力エナジーパートナー(EP)が51%、エプコが49%出資するTEPCOホームテック(東京・墨田)が営業を始めた。
 新会社はIH調理器やエコキュート(省エネ型電気給湯器)などの機器の販売から工事、保守まで手掛ける。東電EPの契約家庭は約2千万件もあり、潜在市場は大きい。新会社はエプコが住設工事で付き合いのある住宅大手を通じ顧客に提案し、営業開始初年度に1万件の契約を目指す。
 エプコの業績に新会社の売上高は反映されないが、関連のコールセンターや住設保守はエプコが担う。連結売上高で年1割強の伸びに寄与する見通しだ。
 17年12月期の連結営業利益は5億5500万円と、前の期の6倍に増え、売上高営業利益率は13.3ポイント改善した。設備設計は7億1800万円、コールセンターは2億4600万円と安定した営業利益を稼ぎ、エネルギーの赤字縮小が全体の利益を押し上げた。吉原信一郎最高財務責任者(CFO)は「18年10~12月期にエネルギー事業は黒字になる」と語る。投資回収に入る段階だ。