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(株)サンテック【1960】の掲示板 2018/11/09〜

新しい中期経営計画には、ROEと自己株式の取得についての具体的な言及は無いが、ポイントは営業利益23億円を目標としている事だと思う。

当期利益が15億円でROE5%に相当する訳だが、営業利益23億円というのは、ほぼこの水準に相当する。実際には、投資不動産からの利益等からなる営業外損益のプラスもあるので、もう少し営業利益が少なくても当期利益15億円に到達する可能性が高いが、海外事業の割合が高い為に為替差損等の発生も有り得るので(逆に為替差益が出る事もあるが)、余裕をもって23億円の目標にしているのだろう。

これが何を意味するか?という事だが、さすがに、ROEが5%は無いとまずいという事を、今のこの会社の経営陣は理解しているという事だろう。議決権行使助言会社のISSも、ROEが5%に満たない会社のトップには、株主総会での取締役選任にNoを推奨している訳で、ROE5%の達成は、上場企業としての最低限の義務であるという認識の基に経営を行わざるを得ないという事だ。

その場合、利益を内部留保として積み上げてしまうと、ROE5%に相当する当期利益の水準も増えてしまう訳で、配当以外にも自己株式の取得で株主還元を行わないと、ROE5%の達成が難しくなるという事だ。そもそも、この会社にとって営業利益23億円という目標はハードルとして決して低くは無い。また、建設工事は受注産業なので、内部留保をしたからと言って、その分利益が増える訳でもない。

だから、利益水準が23億円を超えて切り上がる様な事がなければ、前中計の様に明示はしていなくても、「当期利益-配当総額」に相当する金額は、自己株式の取得に充てて来る可能性が非常に高いと思う。

株主還元100%を謳ってしまうと、前期の様に、自己株式の取得をした後で業績を下方修正して、原資が足りないという事になったりするので、敢えて明示する事は避けたのだろう。

尤も、現経営陣は現在の株主資本の規模を減らさない事を大前提にしている様で、また、ROE5%というのは目標としてはあまりにも低い(経産省の「伊藤レポート
」は上場企業が目指すべきROEの水準を最低8%としている)訳で、株主としては納得しかねる部分はある。