証券口座は複数開設できる

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証券口座は、複数開設しても問題ありません。1つの証券会社で開設できる口座は1つまでですが、会社を分ければ複数の口座を所有できます。
口座開設の料金は、基本的に無料です。会社ごとの強みを生かして取引したい人や、口座を使い分けて取引を有利に進めたい人は、複数口座の利用を検討してみてください。ただし、複数の証券会社を利用した場合でも、NISA口座・iDeCo口座は1つまでしか開設できないので注意しましょう。
証券口座を複数開設する4つのメリット
証券口座を複数開設するメリットを詳しく見ていきましょう。証券口座の使い分けは、スムーズな資産運用につながるのでぜひ参考にしてみてください。
証券会社の強みを生かした取引ができる

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口座を複数開設することで、証券会社の強みを生かした取引ができます。運用方針に応じて、各証券会社のサービスを使い分けられることは大きなメリットといえるでしょう。
証券会社によって、取扱銘柄数や手数料の料金体系などに違いがあります。例えば、国内株式と米国株式に投資する場合は、それぞれのラインナップが充実している証券会社で口座開設しておくと、幅広い選択肢から投資対象を選択できるでしょう。メインで行う取引方法が複数ある場合は、取引方法に応じた手数料が最安の証券口座を開設し、使い分けることでお得に資産運用ができます。
ただし、いきなり多数の証券口座を開設すると、使い分けや管理が困難になることも。初心者の場合は、まず1〜2社に申込んで、投資に慣れてから口座を増やすとよいでしょう。
IPO銘柄を購入できる確率が上がる

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複数口座を持っていれば、IPO銘柄を購入できる確率が上がります。
IPO銘柄とは、未上場企業が証券取引所に上場する際に売り出される新規公開株のこと。上場前のIPO銘柄を入手して上場後に売れば高確率で利益を見込めるため、人気が高く、抽選に当たらなければ購入できません。IPO銘柄の抽選方法は証券会社によって異なりますが、複数口座を開設して抽選機会を増やすことが当選確率の向上につながります。
自分に有利な抽選方法を選べる点も、複数口座を開設するメリットのひとつです。完全抽選の場合もあれば、預り資産額や過去に貯めたポイント数が影響する抽選もあります。証券会社によって、抽選方法に違いがあることも覚えておきましょう。
利用できるツールの種類が増える

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利用できるツールの種類が増えることもうれしいポイントです。多くの証券会社では、口座保有者向けの取引ツールや情報分析ツールを用意しています。
例えばSBI証券の口座を持っていれば、情報収集や発注をスピーディに行えて、操作性にも優れた取引ツール「HYPER SBI 2」が利用可能です。楽天証券では、事前に設定した条件に合致したときに自動で発注を行うアルゴ注文機能搭載の「MARKET SPEEDII」を利用できます。
使えるツールが増えれば、同じ商品に対して複数の予測を参考にしたり、取引対象にあわせてツールを使い分けたりできるので、効率よく分析・取引を進められるでしょう。
システムトラブルに対処しやすい

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複数口座の開設により、突発的なシステムトラブルに対処できることもメリットです。システムトラブルでひとつの口座が使用できなくなった場合も別の口座で取引できるため、取引タイミングを逃さずに済みます。
特に取引が活発化しているときは、サーバーに負荷がかかりシステムトラブルに繋がることも珍しくないので、複数口座を保有してリスクヘッジすることは重要です。公式のシステムメンテナンスによって、一時的にサービスが利用できなくなるケースもあるので、いつでも市況を確認したり、取引したりできる環境を整えておきましょう。
証券口座を複数開設する3つのデメリット
証券口座の複数開設には、注意すべきデメリットもあります。あとで後悔しないためにも、デメリットを理解したうえで口座開設を進めましょう。
口座管理が複雑になる

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一般的に複数の証券口座を持っていると、口座管理が複雑になりがちです。サービスごとのログインID・パスワードや収支状況など、扱う口座が増える分、把握しておくべき情報も多くなる点に注意してください。
例えば、トータルで収益が出ているのか損をしているのか、金融資産がいくらあるのか知りたいときも、すべての口座の運用成績を整理して合算しなくてはなりません。別途帳簿をつけておくなど、余計な手間がかかってしまうことを理解しておきましょう。
確定申告が必要な場合がある

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複数口座の保有者は「源泉徴収ありの特定口座」を利用していても、確定申告が必要な場合があります。
証券会社の口座には「源泉徴収ありの特定口座」「源泉徴収なしの特定口座」「一般口座」などの種類があり、源泉徴収ありの特定口座を利用している場合、証券会社が利用者に代わって納税してくれるため、基本的に確定申告は必要ありません。
ただし、特定口座間での損益通算は行われないため、確定申告しなければ税金が余計に引かれることも。損益通算とは、利益と損失を相殺する手続きのこと。例えば、A社で100万円の利益が出てB社で100万円の損失が出た場合、放置するとA社での収益100万円に対して課税されてしまいます。しかし確定申告をして損益通算すれば、収益は0円となり、税金を余計に支払う必要がありません。
なお、源泉徴収なしの特定口座または一般口座を選択した人は、投資利益が20万円未満などの一定の状況を除き、基本的に確定申告が必要です。
投資資金が分散する

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複数口座の開設により、投資資金が分散する点にも要注意です。複数口座で投資を行うためには、資金も分割して入金しなければなりません。
もし投資対象の購入資金が不足した場合は、別の口座から資金を移す必要があります。手間がかかるうえ、資金を移動させる間に取引タイミングを逃してしまう可能性も否定できません。特に少額で投資を始める場合は、複数口座に分けると資金不足で取引しにくくなるので、まずは1つの口座で運用することをおすすめします。
証券口座の複数開設におすすめの組み合わせ
証券口座を複数開設する場合、異なる強みを持つ口座や使い分けで相乗効果を発揮する口座を選ぶと、それぞれの口座を有効活用しやすくなります。最後に、口座を複数開設する際におすすめの組み合わせを2パターン見ていきましょう。
IPO銘柄を購入するならSBI証券×マネックス証券

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IPO銘柄の購入を予定している人は、SBI証券とマネックス証券の組み合わせをおすすめします。
SBI証券のIPO銘柄取扱実績は業界トップクラスです。ただし、配分予定数量の60%は公正な抽選で当選者が決まるものの、10%は取引状況などをふまえて会社が配分先を決定します。残りの30%は、過去の落選回数が多い人に優先的に配分される仕組みです。取引状況や過去の抽選状況によっては、当選確率が減ってしまうこともあるでしょう。
一方マネックス証券では、配分予定数量の100%が抽選で公正に配分されます。過去の取引状況に自信がない人は、誰にでも平等にチャンスがあるマネックス証券の併用を検討してみてください。
国内株式の取引手数料を抑えるならSBI証券×SBIネオトレード証券

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手数料を抑えて国内株式を取引したい人は、SBI証券とSBIネオトレード証券を組み合わせるのもよいでしょう。
SBI証券のアクティブプランなら、国内株式現物取引の手数料が1日の約定代金100万円まで無料です。しかし、100万円を超えると1,000円以上の手数料がかかってしまいます。
SBIネオトレード証券は1注文ごとの取引手数料が、約定代金100万円超~150万円以下なら440円、150万円超~300万円以下なら660円。300円超でも880円に収まる料金体系は業界最安水準です。
100万円を超える取引はSBIネオトレード証券、少額取引はSBI証券といったスタイルで使い分ければ、手数料を抑えた取引ができるでしょう。
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証券口座の複数開設によって、資産運用を有利に進められる可能性があります。これから投資を始める人や、投資に慣れてきて口座を増やそうと考えている人は、各社の強みを理解したうえで自分に合った証券口座を開設しましょう。
以下のページでは、さまざまな証券会社をランキング形式で紹介しています。条件を指定して証券会社を絞り込むこともできるので、口座の開設先に悩んだときの参考にしてみてください。