潰れそうな証券会社はない。不安なら金融機関の格付けを確認して

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ネットで特定の証券会社が潰れそう・危ないといった評判を目にすることはありますが、国内の証券会社で、破綻の危機が迫っている証券会社は基本的にありません。とくに大手証券会社であれば経営は安定しているといえます。
証券会社の経営の安定度合いは、JCR(株式会社日本格付研究所)の格付けが参考になります。格付けは経営状況をスコア化したもので、会社が安定していれば「A」、危険性が高い場合は「C」が付けられます。
最新のJCRの格付けを確認すると、どの証券会社もAかBが付与されており、Cに該当しているところはありませんでした。ネットで見かける噂は、利用者の不満や憶測が混ざっている可能性があり、必ずしも正しい評価ではないことは知っておきましょう。
※JCR公式サイト(外部サイト)
証券会社が潰れても、預けた資産はなくならない

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利用中の証券会社が潰れても、基本的に資産は全額返還されます。金融商品取引法により、証券会社は顧客から預かった資産を自社の資産と分けて管理する、分割管理の義務を課されているためです。
ほとんどの証券会社は法律に従って分別管理を行っているため、万が一会社が潰れた場合でも、顧客の資産を返せなくなることはありません。返還された資産を別の金融機関に移せば、資産運用を継続できます。
証券会社が顧客の資金を自社資金として使うと法律違反となり、業務停止や罰金などのペナルティが科されることも。顧客の資産は法律によって守られているため、証券会社が潰れるかどうかを過度に心配する必要はないでしょう。
証券会社が潰れる理由
大手の証券会社や知名度の高い会社でも、さまざまな要因によって潰れてしまう可能性はあります。ここでは、証券会社が潰れる代表的な理由を2つ見ていきましょう。
吸収合併による消滅

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M&Aによる吸収合併で、証券会社が消滅することがあります。M&Aとは、経営基盤の強化や事業拡大などさまざまな目的のために、会社の合併・買収を行うことです。
吸収合併で2つの会社が1つに統合される場合、存続する側の会社に一切の権利義務が継承され、吸収される側の会社は消滅します。例として、2019年に高木証券が東海東京証券に吸収合併されて消滅しました。2021年にも、エース証券が東海東京証券に吸収合併されています。
ただし、多くの場合、消滅した会社のサービスは存続するうえ合併によりサービス内容が向上することも珍しくありません。利用中の証券会社が吸収合併されることは、顧客にとって必ずしもデメリットとはいえないでしょう。
経営悪化による自主廃業・倒産

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さまざまな要因により証券会社の経営が悪化し、自主廃業や倒産に追い込まれることがあります。
例として、1997年に大手証券会社の山一證券が自主廃業しました。山一證券は、バブル崩壊をきっかけに経営が悪化。損失を隠蔽する不正会計などの問題も加わり、自主廃業に至っています。
安泰と思われている証券会社でも、経済危機などさまざまな要因が重なった結果、潰れてしまう可能性はゼロではありません。分別管理の義務により万が一潰れても顧客の資産は守られますが、普段使っている証券会社が突然なくなってしまうリスクは存在します。
万が一のリスクに備えて資産は分散しよう

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資産を確実に守るなら、証券会社に預ける投資資金の分散を心がけましょう。預け入れる資金は、1社につき1,000万円までに抑えるのがおすすめです。
法律により、証券会社が潰れても顧客の資産は全額返還されます。しかし、万が一証券会社が法律に違反していた場合、資産の全額を取り戻せない可能性も否定できません。
証券会社が分別管理を行っておらず資産が返還されない場合、日本投資者保護基金が顧客1人あたり上限1,000万円までの資産を補償してくれます。1つの会社に預ける資産を1,000万円以下に抑えれば、分別管理義務違反が発覚したケースへのリスクヘッジが可能です。
日本投資者保護基金の保護対象となるのは、株式・債券・投資信託など。FX取引や海外の取引所で取引される先物・オプション・CFD取引などは、1,000万円の補償対象外なので注意してください。
倒産・廃業を過度に恐れる必要はない! 証券会社で投資を始めよう
証券会社が潰れても顧客の資産は全額返還されるうえ、日本投資者保護基金による補償制度も存在します。基本的に預けた資産は守られるので、口座を開設する際も証券会社の倒産や廃業を過度に心配する必要はないでしょう。
以下のページでは、さまざまな証券会社をランキング形式で紹介しています。証券口座の開設先に悩んだときは、ぜひ参考にしてみてください。