資産運用って何のこと? 資産形成との違いは?

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資産運用とは、値動きのある商品を買って、持っている資産を増やしていくこと。元手となる資産があれば、運用はいつでも始められます。資産には現金だけではなく、土地・建物・株式・債券なども含まれることも覚えておきましょう。
資産形成とは、将来のために1から資産を作り上げることです。資産が少ない状態から、給料を得たり、節約・運用することでコツコツと資産を増やしていきます。資産運用も資産を作り上げるための手段ひとつと考えると理解しやすいでしょう。
20歳からの投資は必要? 20代で資産運用を始めるメリット
20歳から投資を始めるメリットを紹介します。資産運用に欠かせないモチベーションにもつながるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。
複利効果でお金を増やしやすい

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20代のうちから投資を始め、長期間の運用を行えば、複利効果でお金を増やしやすくなります。複利効果とは、投資で得た利益を再投資することで、利益が利益を生み出す仕組みのこと。運用期間が長くなるほど複利効果は大きくなり、利益が雪だるま式に増えていきます。
利回り3%を想定し、毎月3万円を10年間積み立てた場合と、毎月1万円を30年間積み立てた場合で最終的な総資産額を比較してみましょう。元金はどちらも360万円ですが、総資産額はそれぞれ約419万円と約583万円です。元手となるお金は同じ額でも、運用期間が長いほうが、複利効果によって得られる利益も大きくなることがわかります。
少額であっても、20代のうちから投資をはじめて長期間継続すれば、複利効果で大きなリターンを期待できるでしょう。
長期投資によってリスクを低減できる

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長期投資によって価格変動のリスクを抑えられる点も、20代で資産運用を始めるメリットといえるでしょう。金融商品の価格は一時的に下落しても、そのあとに再び上昇するケースがほとんどです。長期投資であれば、価格が戻ってくるまでじっくりと待てるので利益が安定しやすいとされています。
短期投資では一時的な要因による価格の上がり下がりに利益を左右され、損失のリスクが高くなるので注意が必要です。20代から長期投資を前提に投資を始めれば、リスクを抑えながら着実に利益を積み上げられるでしょう。
ほかの年代に比べてリスク許容度が高い

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20代はほかの年代に比べてリスク許容度の高いので、ハイリターンを狙った投資も選択肢に入ります。リスク許容度とは、どれくらいまでなら資産がマイナスになっても受け入れられるかを表すものです。
20代であれば、ライフイベントが比較的少ないほか、将来的に働ける期間も長く損失がでても仕事の昇進や副業でカバーできるので、積極的な投資がしやすいでしょう。
年齢を重ねると、住宅ローンや子どもの教育費、親の介護費用などでまとまったお金が必要になるため、リスク許容度は下がる傾向にあります。損失を巻き返すための時間が少なくなればなるほど、リスクをさらに抑えなければなりません。
若いうちから資産運用の知識が身につく

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将来に活かせる資産運用の知識を若いうちから身につけられるのも、20代で投資を始めるメリットです。
投資にはさまざまなリスクがともなうため、知識がないうちは損をすることもあるでしょう。20代で少額からでも資産運用にチャレンジしておけば、失敗を経験しながら投資商品に対する理解を深め、自分に合った投資手法や投資商品を選択できるようになります。
資産運用の知識は長く使えるものなので、早めに身につけておくのが賢明といえるでしょう。
20代の資産運用で知っておくべき注意点
次に、20代の資産運用で知っておくべき注意点を紹介します。失敗しないためには、メリットだけではなく注意点も理解しておくことが大切です。
まずは無理のない金額から始めよう

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一般的に20代のうちは運用に回せるお金が少ないので、無理のない金額から始めることが大切です。途中で資金が尽きてしまうと、長期運用のメリットを活かせないので、少額からでも継続できる額で始めましょう。先述の通り、長期運用では、複利効果によって利益を増やせるほか、リスク軽減の効果もあります。
まずは、収支を把握したうえで、投資に回せるお金を割り出してみてください。生活費だけではなく、医療費、冠婚葬祭の費用、失業への備えなど、緊急時に対応できるお金も確保しておくことが大切です。資産運用は余剰資金で行うものであることを忘れてはいけません。
投資にかかる手数料や税金に注意

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投資では、取引に手数料を要する場合があることを覚えておきましょう。例えば、投資信託では購入時や売却時のほか、保有しているだけでも運用手数料である信託報酬が発生します。手数料による支出が運用益を上回ってしまい、損失が生じることも少なくありません。
手数料に加え、投資で得た利益には約20%の税金がかかる点にも注意が必要です。節税しながら資産運用を行うには、NISAやiDeCoを利用するのがおすすめ。詳細は後述しているので、ぜひチェックしてください。
資産運用のリスクについて理解しておく
資産運用を成功させるには、リスクを理解しておくことが重要です。資産運用のリスクとは、収益または損失の変動幅のこと。資産運用は必ずお金が増えるわけではなく、損失を被るリスクもはらんでいます。以下で主なリスクを紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
価格変動リスク

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価格変動リスクとは、金融商品の価格が変動することで資産の価値が変動する可能性のこと。価格変動リスクが生じる代表的な金融商品は株式。業績や為替相場、景気動向などの要因となり、価格が大きく上下します。株式や債券を組み入れている投資信託も、例外ではありません。
一般的に、得られるリターンが大きい金融商品は、価格変動リスクも大きくなる傾向があります。
金利変動リスク

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金利変動リスクとは、金利の変動によって資産の価値が変動する可能性のこと。特に債券は金利の変動に大きな影響を受けやすい金融商品といえるでしょう。一般的に、市場の金利が上昇すれば債券の価値は下落し、市場の金利が下落すれば債券の価格は上昇します。
為替変動リスク

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為替変動リスクとは、為替相場の変動により、外貨建て商品の価値が変動する可能性のこと。例えば、1ドル100円のときに円をドルに替えて預け入れ、1ドル90円のときに払戻すと、差額分の10円が損失になります。
外貨預金や、海外の株式・債券に投資する投資信託など外貨建ての金融商品で資産運用する場合は、為替変動リスクがともなうので注意が必要です。
流動性リスク

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流動性リスクとは、売買の極端な減少によって、売却したいときに売れない可能性があること。例えば、企業の不祥事や上場廃止などが起きると、株式の買い手が見つからなくなり、希望する価格で売却できなくなることがあります。
高額で買い手がすぐに見つからない不動産投資なども、流動性リスクが高いとされている金融商品のひとつです。
信用リスク

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信用リスクとは、有価証券を発行する国や企業の財政状況が悪化するなどして、元本や利子が受け取れなくなる可能性のこと。株式や債券、投資信託などさまざまな金融商品にともなうリスクで、信用力が低い発行元ほど信用リスクは高くなります。
投資先の企業が倒産した場合は、株式の価値がゼロになる可能性も。発行元の財務状況や経営内容などは必ず確認したうえで、資産を投じることが大切です。
カントリーリスク

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カントリーリスクとは、国の情勢変化などによって投資した資産の価値が変動すること。主に政権交代や紛争、自然災害などが原因で生じるものです。
一般的に政治情勢や経済基盤の不安定な新興国は、カントリーリスクが高いとされています。新興国への投資は大きなリターンを期待できる反面、資金を回収できなくなる可能性があることも理解しておきましょう。
20代の資産運用におすすめの金融商品
続いて、20代の資産運用におすすめの金融商品を紹介します。少額から始められるものも多いので、ぜひ参考にしてください。
投資信託

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投資信託は、複数の投資家から集めた資金を、運用の専門家が投資・運用する金融商品のこと。投資家は、運用成績に応じた分配金を受け取れるほか、購入時よりも値上がりしたタイミングで売却すれば売買差益による利益を得られます。
投資信託は100円から購入できるほか、運用もプロに任せられるため、資金の少ない20代の投資初心者には特におすすめ。1つの商品が複数の銘柄で構成されているので、自動的に分散投資ができるのもメリットです。いずれか1つの価格が下がっても、ほかの銘柄で損失をカバーできます。
株式

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株式とは、企業が資金を集めるために発行する証券のこと。
購入した株式の価格が上昇したタイミングで売却すれば差額が利益になるほか、企業の業績や銘柄によっては配当金や株主優待を受けられる点もメリットです。株式の値動きは比較的激しいので、大きなリターンを狙える一方で、元本割れのリスクが高いことも理解しておきましょう。
株式は通常100株単位で売買されるため、まとまった資金が必要になりますが、単位未満株なら1株単位、ミニ株なら10株単位で購入できます。少額であれば大きな損失にもつながりにくいので、投資の知識が少ない初心者にもおすすめです。
個人向け国債

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個人向け国債とは、国が資金調達のために発行する債券のこと。保有中に利子を受け取れるほか、満期がくれば元本が戻ってきます。
個人向け国債は、元本と利息の支払いを国が保証してくれるため、低リスクで運用できるのがメリット。1万円の少額から始められるのもうれしいポイントです。
個人向け国債は、金利が固定で5年満期の「固定5」と3年満期の「固定3」、半年ごとに適用利率が変わる10年満期の「変動10」から選択できます。元本割れのリスクが少ない商品で投資にチャレンジしてみたい人は、前向きに検討してみましょう。
不動産クラウドファンディング

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不動産クラウドファンディングは、インターネット上で投資家から集めたお金をもとに、事業者が不動産の取得・運用を行う仕組みのこと。銀行預金に比べて、高い利回りを期待できます。
通常は多額の資金が必要になる不動産投資ですが、不動産クラウドファンディングは1口1万円から参加可能です。不動産の管理は事業者に任せられるので、投資の知識がなくても気軽に始められるでしょう。ただし、事業者が倒産した場合、出資したお金が戻ってこない可能性があるので、事業者選びは慎重に行うことが大切です。
純金積立

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純金積立とは、金を毎月一定の金額で自動的に購入する投資手法のこと。金の価格は変動しにくいので、長期保有に適しています。
純金積立では、毎月一定の額を購入するので、価格が高いときは少なめに、安いときは多めに購入でき、平均購入価格を抑えられる点がメリットです。金融機関によっては月1,000円から始められるので、まとまった資金も必要ありません。
20代から長期的な視点で投資できる商品を探しているなら、純金積み立てを選択肢のひとつに入れておきましょう。
外貨預金

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外貨預金とは、日本円ではなく外貨で預金すること。日本の銀行預金よりも利回りが高い傾向にあるので、効率的に資産を増やせます。
外貨預金はインフレ対策にも有効です。日本円のみを保有している場合、物価が上昇すると資産の実質的な価値は下がってしまいます。外貨を保有していれば、その国でインフレが生じない限り、資産が大幅に目減りするのを避けられるでしょう。
外貨預金の仕組みは一般的な預金と同じなので、投資に関する知識に自信がない20代の初心者でも理解しやすい運用方法といえます。円高になった場合は元本割れする可能性があるほか、両替する際には手数料が発生することも覚えておきましょう。
投資に関する制度・サービスも活用しよう
20代で投資を始める際には、税制上の優遇が受けられる制度や初心者向けのサービスをうまく活用することが大切です。ここから、具体例を解説するので、参考にしてみてください。
NISA

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NISAとは、一定金額の範囲内で購入した金融商品の運用益が非課税になる制度で、一般NISAとつみたてNISAの2種類があります。
一般NISAは年間120万円までの投資であれば、最大5年間は利益が非課税。つみたてNISAは年間40万円までの投資であれば、最大20年間は利益が非課税になります。通常、投資で得た利益には約20%の税金が差し引かれるところ、NISAを活用すればそのまま受け取れるので効率的に資産を増やせるでしょう。
特につみたてNISAは、金融庁によって厳選された投資信託だけがラインナップされているので、安全性が高く、これから投資を始める人にもぴったりです。以下のページでは、NISA・つみたてNISAを活用して資産運用できる証券会社を紹介しています。各社の詳細なデータも掲載しているので、口座開設先を探しているならチェックしてみてください。
iDeCo(個人型確定拠出年金)

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iDeCoは、老後資金を作ることを目的とした私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人であれば基本的に誰でも加入でき、掛金と運用成績にもとづく金額の合計を60歳以降に受け取れます。
拠出金額すべてが所得控除の対象になるほか、運用益も非課税、受け取り時も税制上の優遇があるので、大きな節税効果を期待できるでしょう。原則60歳まで引き出せないほか、加入期間が10年未満の場合、受取時期が60歳以降に後倒しになる点には注意が必要です。
iDeCoを利用できる証券会社の詳細は別のページで紹介しています。各社をランキング形式で紹介しているので、20代から老後に備えて、節税しながら資産形成したい人はぜひチェックしてください。
ロボアドバイザー

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ロボアドバイザーとは、人工知能が資産運用をサポートしてくれるサービスのこと。個々のリスク許容度に合わせたポートフォリオを提案してもらえるアドバイス型や、組んだポートフォリオを元に自動で買いつけまでしてくれる投資一任型などがあります。
アドバイス型は、実際の運用を投資家自身がおこなわなければなりませんが、無料で使えるサービスも多いので気軽に始められるでしょう。投資一任型は多くの場合、有料サービスですが、資産運用に必要な作業のほとんどをロボアドバイザーに任せられるので、知識・経験が少ない人にもおすすめです。
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