つみたてNISAは銀行と証券会社のどっちがおすすめ? 5項目で徹底比較
まずは、つみたてNISA口座を開設する際の銀行と証券会社の違いを見ていきましょう。投資信託の取扱本数や運用コストなどを5項目で徹底比較しているので、最後までチェックしてみてください。
投資信託の取扱銘柄数:証券会社のほうが取扱銘柄数が多い

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つみたてNISAで投資できる投資信託の銘柄数では、証券会社が銀行を大きくリードしています。銀行は多くても10〜20種類程度ですが、証券会社では200種類前後の銘柄が用意されているケースも少なくありません。
実際に2023年8月時点の取扱数を見てみると、三菱UFJ銀行は12種類、三井住友銀行は4種類ですが、ネット証券であるSBI証券は205本、楽天証券は194種類と圧倒的です。ネット証券は取扱本数がとくに多く、幅広い銘柄のなかから自分にあったものを選んで投資できます。
同じ証券会社でも、店舗型の証券会社はネット証券ほど取扱本数が多くありません。しかし、野村證券で19種類、SMBC日興証券で158種類も用意されており、銀行よりはラインアップが充実しているといえるでしょう。
※参照:三菱UFJ銀行公式サイト(外部サイト)/三井住友銀行公式サイト(外部サイト)/SBI証券公式サイト(外部サイト)/楽天証券公式サイト(外部サイト)/SMBC日興証券公式サイト(外部サイト)/野村證券公式サイト(外部サイト)
信託報酬:証券会社のほうが安い傾向に

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つみたてNISA対象銘柄の信託報酬で比較すると、銀行より証券会社のほうが安い傾向にあります。信託報酬とは投資信託を保有している間、支払い続けなければならない運用手数料のことです。
つみたてNISAの対象銘柄は、いずれも信託報酬が一定水準以下に限定されています。そのなかでも証券会社の銘柄は信託報酬がとくに低めに設定されているため、銀行よりもコストを抑えた資産運用が可能です。
例として、主要な銀行・証券会社における日経平均連動型の投資信託の信託報酬を比較してみました。
- SBI証券 SBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンド:0.1133%
- 楽天証券 eMAXIS Slim 国内株式(日経平均):0.143%
- 野村證券 はじめてのNISA・日本株式インデックス(日経225):0.143%
- 三菱UFJ銀行 つみたて日本株式(日経平均):0.198%
- 三井住友銀行 SMBC・DCインデックスファンド(日経225):0.154%
いずれも日経平均に連動する投資信託ですが、信託報酬は銀行より証券会社のほうが低めです。長期間にわたって保有するつみたてNISAでは、信託報酬のわずかな違いによって最終的な利益に大きな差が出ます。なお、つみたてNISA対象銘柄の販売手数料は、どの銀行・証券会社でも無料です。
※2023年8月17日時点の情報です。
積立頻度:証券会社は毎月だけでなく毎週や毎日なども選べる

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つみたてNISAの積立頻度で比較すると、自由度が高いのは証券会社です。銀行では積立タイミングを原則毎月しか選べませんが、証券会社なら毎週や毎日などの選択肢も用意されている場合があります。
例えば、三菱UFJ銀行や三井住友銀行は毎月のみですが、ネット証券であるSBI証券では毎月・毎週・毎日から、楽天証券では毎月または毎日から積立頻度を選択可能です。
ただし、証券会社でも店舗型の場合は積立頻度を選べないことがあります。例えば野村證券やSMBC日興証券で利用できる積立頻度は毎月だけです。
最低投資金額:証券会社は100円から投資可能

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つみたてNISAの最低投資金額が低いのは証券会社です。銀行は低くても1,000円からですが、証券会社なら100円から投資できます。
【主要な銀行・証券会社の最低投資金額】
- SBI証券:100円
- 楽天証券:100円
- 野村證券:1,000円
- SMBC日興証券:1,000円
- 三菱UFJ銀行:1,000円
- 三井住友銀行:10,000円
少額からつみたて投資を始めたい人や、積立金額を自由に設定したい人には証券会社が向いているでしょう。
最低投資金額は銀行や証券会社によって異なりますが、1カ月の投資上限は33,333円で共通です。毎月33,333円の投資を1年続けると、つみたてNISAの年間投資枠である40万円に到達します。
サポート:銀行は店舗で手厚いサポートを受けられる

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つみたてNISAを利用する際にサポートを受けたい場合は、銀行での口座開設がおすすめです。証券会社のうち、ネット証券は店舗がないため対面サポートを受けられません。実際に、楽天証券やSBI証券のサポートはネットや電話のみです。
銀行なら店舗で対面サポートを受けられます。慣れ親しんだ店頭窓口で投資の相談ができることは、大きなメリットといえるでしょう。
証券会社でも、店舗型なら対面でサポートを受けられます。証券会社を利用したいけどサポートが必要な場合は、店舗型の証券会社も検討してください。
結局、つみたてNISAは銀行と証券会社のどちらがおすすめ?
つみたてNISAを利用する場合、サポート重視なら銀行、コストや投資の自由度を重視するなら証券会社がおすすめです。ここでは比較結果をもとに、つみたてNISAの口座を作るなら銀行と証券会社のどちらがおすすめなのかを解説します。
銀行はサポート重視の人におすすめ

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サポート重視の投資初心者は、銀行でつみたてNISAを利用するのがおすすめです。一般的なネット証券のサポートはオンラインや電話に限られますが、銀行なら店頭窓口で気軽に投資の相談ができます。
証券会社でも店舗型なら対面サポートを受けられますが、つみたてNISAを利用するためには新たに証券口座も開設しなければなりません。銀行でつみたてNISAを利用すると、慣れ親しんだいつもの店頭窓口でサポートを受けられるうえ、既存の銀行口座を活用できます。
新たに開設するのはつみたてNISAの口座だけでいいので、口座管理が煩雑になる心配もないでしょう。
コストを抑えて幅広い商品に投資したい人には証券会社がおすすめ

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コストを抑えて幅広い商品に投資したい人には証券会社がおすすめです。銀行に比べると、証券会社は信託報酬が低い傾向にあり、つみたてNISAの対象銘柄も豊富に取り揃えています。
とくにSBI証券や楽天証券などのネット証券は、店舗型の証券会社よりも信託報酬が低く、対象銘柄の取扱本数も多めです。さらにネット証券は最低投資金額が低く、積立頻度の選択肢も多いため、自分の投資スタイルにあわせて柔軟に投資できます。
対面サポートがなくても問題ない人は、コストが低く自由度が高いネット証券で口座を開設するとよいでしょう。
つみたてNISAは途中で金融機関を変更できる

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つみたてNISAは、あとからでも金融機関の変更が可能です。現在の金融機関から勘定廃止通知書または非課税口座廃止通知書を取得し、必要書類と一緒に変更先の金融機関へ提出してください。細かな手続きや必要書類は金融機関によって異なるので、事前に問い合わせてみましょう。
口座変更を希望する年の前年10月1日から口座変更を希望する年の9月30日までに手続きを完了すれば、その年のうちに新しい金融機関でつみたてNISAを利用できます。審査に時間がかかることもあるので、遅くとも9月中旬までには手続きを済ませてください。
ただし、すでにつみたてNISA口座で金融商品を購入している場合、金額機関を変更できるのは翌年分からです。自動的買付サービスを利用している場合は、1月1日までに解除しておきましょう。
つみたてNISA利用におすすめの証券会社はどこ? ランキングをチェックして
つみたてNISAを利用するなら、証券会社のほうが自由度が高いのでおすすめといえます。コストを節約しながら幅広い銘柄に投資することも可能。積立頻度の選択肢が多く、100円から投資できる点も魅力といえるでしょう。
ただし、つみたてNISAに対応する証券会社は数多く存在するため、どこにすれば良いか迷ってしまう人も多いでしょう。以下のページでは、さまざまな証券会社をランキング形式で紹介しています。銘柄数ランキングもあるので、証券会社でつみたてNISAを利用したい人は要チェックです。